特集 食道癌の放射線治療
食道癌通過障害症状に対する放射線治療の有効性についての遡及的検討
清水 友理
1
,
新部 譲
,
島田 英昭
,
菊池 由宣
,
谷島 聡
,
寺原 敦朗
1東邦大学医療センター大森病院 放射線科
キーワード:
嚥下障害
,
食道腫瘍
,
扁平上皮癌
,
治療用放射線量
,
放射線療法
,
後向き研究
,
治療成績
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Deglutition Disorders
,
Esophageal Neoplasms
,
Radiotherapy Dosage
,
Retrospective Studies
,
Radiotherapy
,
Treatment Outcome
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.993-1000
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016374356
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食道癌通過障害症状に対する放射線治療の有効性について検討した。食道癌の原発巣を含めた照射野を用いて外部照射を施行した原発性食道癌108例(男性86名、女性22名、40~93歳)を対象とした。全症例の生存期間中央値は14.0ヵ月で、2年全生存率32.5%であった。dysphagia scoreの変化は、自覚症状の改善を認めた44例では改善20例、不変23例、悪化1例、自覚症状が不変であった18例では改善1例、不変16例、悪化1例、自覚症状が増悪した6例では改善1例、不変3例、悪化2例であった。総線量については、50Gy以下と50.4Gy以上の照射における自覚症状改善割合は、それぞれ36%、70%で、有意差を認めた。照射以前の化学療法歴がある場合の自覚症状改善率46%に比較して、化学療法歴なしの群では69%と改善率が高い傾向を認めた。治療完遂後にステント留置等の処置を必要としたのは40例であった。治療完遂後に処置を必要とした割合は、年齢、性別、化学療法併用有無、総線量、照射以前の化学療法歴の有無では差を認めなかった。
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