特集 食道癌の放射線治療
食道癌に対する根治的放射線治療後に発生した放射線性肺障害
渡部 成宣
1
,
荻野 伊知朗
,
國崎 主税
,
井上 登美夫
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 放射線科
キーワード:
危険因子
,
胸水
,
胸膜炎
,
食道腫瘍
,
心不全
,
発生率
,
扁平上皮癌
,
放射線障害
,
放射線量反応関係
,
放射線療法
,
基準値
,
後向き研究
,
肺炎-放射線
,
比例ハザードモデル
,
Kaplan-Meier法
,
患者重症度
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Esophageal Neoplasms
,
Heart Failure
,
Dose-Response Relationship, Radiation
,
Pleural Effusion
,
Pleurisy
,
Retrospective Studies
,
Risk Factors
,
Radiotherapy
,
Radiation Injuries
,
Reference Values
,
Radiation Pneumonitis
,
Incidence
,
Proportional Hazards Models
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Patient Acuity
pp.1001-1011
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016374357
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食道癌に対する根治的放射線治療後に発生した放射線性肺障害について検討した。食道癌に対する根治的(化学)放射線療法を施行し、36ヵ月以上観察した73例(男性65名、女性8名、42~86歳)を対象とした。6例(8.2%)がCT上の放射線性肺臓炎を指摘された。グレード2の放射線性肺臓炎は2例(2.7%)、グレード3の放射線性肺臓炎は1例(1.4%)に発生した。14例(19.2%)はCT上の胸水を指摘され、4例は病理学的に癌性胸水、10例が放射線性胸水と診断した。グレード2の放射線性胸水は1例(1.4%)、グレード3の放射線性胸水は3例(4.1%)に発生した。画像上放射線性肺臓炎を有する患者はそれ以外の患者と比較した際に有意差のあるDVHパラメーターは存在しなかった。心臓V45が30%以上の群、胸膜V40が30%以上の群でいずれも有意に放射線性胸水の発生率が高かった。有症状(グレード2以上)の放射線性肺障害を有する7例中、4例は放射線性胸水で、3例が放射線性肺臓炎であった。全ての患者は総線量54Gy以上の放射線治療を受けていた。
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