症例
非外傷性十二指腸壁内血腫および後腹膜・腹腔内出血の4例
安井 光太郎
1
,
稲葉 基高
,
児島 亨
,
仁熊 健文
,
三村 哲重
,
佐伯 基次
,
戸上 泉
,
金澤 右
1岡山済生会総合病院 IVRセンター
キーワード:
インターベンショナルラジオグラフィー
,
血腫
,
十二指腸疾患
,
十二指腸腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
診断物質と治療物質の遊出
,
膵臓腫瘍
,
塞栓症
,
動脈瘤
,
腹腔内出血
,
CT血管造影
,
緊急手術
,
膵炎-慢性
,
大量飲酒
,
Segmental Arterial Mediolysis
,
後腹膜出血
,
膵十二指腸動脈
,
腹部CT
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Aneurysm
,
Extravasation of Diagnostic and Therapeutic Materials
,
Duodenal Diseases
,
Duodenal Neoplasms
,
Embolism
,
Hemoperitoneum
,
Hematoma
,
Pancreatic Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Radiography, Interventional
,
Pancreatitis, Chronic
,
Binge Drinking
pp.1041-1047
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016374362
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
非外傷性十二指腸壁内血腫および後腹膜・腹腔内出血の4例を経験した。症例1は50歳代男性で、朝食後に嘔吐し、上腹部に激痛が生じた。CTで後腹膜血腫がみられ救急搬送された。緊急手術となり十二指腸から空腸の一部を切除した。病理組織学的には肝硬変が原因と推定されるangiodysplasiaと診断した。症例2は50歳代女性で、腹痛が突然出現した。CTで十二腸腸壁内および後腹膜に血腫がみられた。血腫の原因となるような異常な血管は特定できなかった。保存的治療で徐々に腹痛は改善した。症例3は60歳代男性で、嘔気、食欲不振が徐々に強くなり、胆道系酵素の上昇がみられた。緊急血管造影を行い、後上膵十二指腸動脈領域に造影剤の血管外漏出がみられた。膵頭十二指腸切除術を施行した。病理診断では、膵頭部の十二指腸漿膜下から粘膜下にかけて十二指腸に全周性に浸潤がみられ、一部で十二指腸粘膜面へ腫瘍が露出していたために出血が生じたものと診断した。症例4は70歳代女性で、全身の冷感、心窩部痛、嘔吐、腹部膨満が急激に出現した。腹腔動脈造影では膵十二指腸動脈領域に造影剤の血管外漏出がみられ、塞栓した。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.