発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007346131
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26歳男。自転車乗車中に転倒し、ハンドルで上腹部を、ガードレールで胸部・後頭部を打撲した。頭部・胸部CT検査を行ったが明らかな異常所見はなかった。胸腹部単純X線で胸部に遊離ガス像、胸水貯留など認めず、腹部も明らかな異常ガス、腫瘤像など認めなかった。腹部超音波では十二指腸に径41mm大の腫瘤を認め、血腫形成が疑われた。腹部CTで十二指腸下行脚拡張と水平脚壁肥厚を認めた。上部消化管造影で十二指腸水平脚に辺縁性の外方性圧排像を認め、造影剤は狭窄像を示した。腹部単純X線でも十二指腸の造影剤貯留を認めた。上腹部外傷の既往、検査所見より水平脚の高度狭窄を伴う十二指腸壁内血腫と診断し、保存的治療を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2007