特集 十二指腸はこう診る
内視鏡分類(長谷部分類)にもとづく十二指腸病変の内視鏡診断 圧排や狭窄を呈する病変(非乳頭部)の内視鏡診断
萬代 晃一朗
1
,
宇野 耕治
,
白川 敦史
,
岡田 雄介
,
鈴木 安曇
,
河村 卓二
,
安田 健治朗
1京都第二赤十字病院 消化器内科
キーワード:
病的狭窄
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸疾患
,
十二指腸腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
膵臓腫瘍
Keyword:
Duodenal Diseases
,
Duodenal Neoplasms
,
Constriction, Pathologic
,
Pancreatic Neoplasms
,
Duodenoscopy
,
Neoplasm Invasiveness
pp.1032-1035
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020388241
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十二指腸の周囲には、胆道、膵臓、脈管などが存在しており、これら周囲臓器の病変の影響によって十二指腸に圧排や狭窄が現れることも稀ではない。十二指腸球部~下行部はおもに胆嚢、総胆管、膵臓、右腎臓の影響を受け、水平部はおもに膵臓、大動脈の影響を受ける。粘膜の発赤や浮腫状の狭窄を認める場合は、周囲臓器の炎症による影響が考えられる。他臓器癌が十二指腸に浸潤すると当初は粘膜面に異常を認めないこともあるが、浸潤が強くなると粘膜に発赤や粗そう、顆粒状や結節状変化が出現し、びらんや不整潰瘍、ひだの集中やひきつれを認めるようになる。内視鏡は、十二指腸球部や上十二指腸角で右に捻りながら引くことで、胃内のたわみが取れ先端が下行部方向に挿入されることが多いため、狭窄部を通過する際は、内視鏡を押すだけでなく引きや右捻りを併用することがポイントとなる。
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