発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005188907
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53歳女.食欲不振に続いて嘔気が出現し,約1週間で食事ができなくなり受診した.右季肋部に硬性硬の腫瘤を触知し,エコーとCTにて十二指腸下行脚から水平脚にかけて鶏卵大の腫瘤を認めた.消化管内視鏡検査,腹部血管造影検査,MRI検査を行い,外傷を疑う既往が問診から得られなかったことから腫瘍を疑った.しかし,胃管の排液量が急激に減少し,再度の腹部CT検査を行った.腹部CT検査では腫瘤像の縮小を認め,腹部血管造影でも過去の出血を疑わせる小動脈瘤を認め,X線検査でも通過障害を認めなかった.以上から,十二指腸血腫と診断し,経過観察したところ,次第に血腫は縮小し,110日目のCT検査では完全に消失した.問診の結果,80歳代の姑による家庭内暴力による結果であることが判明し,詳細な問診を取る必要を再認識させられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005