発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016119604
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64歳男。一過性の意識消失を伴う腹痛が出現し、当院内科での造影CTで結腸間膜に血腫形成を認め当科紹介となった。当科受診時にはCT上血腫の増大はなく、全身状態が安定していたため保存的治療の方針とした。しかし、治療開始7日目に腹痛が再燃し、CTにて血腫の増大を認めたため手術を行った。手術所見では結腸間膜上に10×7cm大の血腫を認め、血腫近傍には中結腸動脈を触知した。血腫上に切開を加え可及的に血腫除去を行ったが、責任病変は同定できず、手術を終了した。術後即座に撮影したCTアンギオグラフィ所見からは、腸間膜血腫の原因は右結腸動脈瘤破裂によるものと考えられた。腹部血管造影を行ったところ、動脈瘤の塞栓による腸管虚血の可能性が高かったため、右結腸動脈起始部の動脈瘤を含めた結腸右半切除術を行った。病理組織所見より分節性動脈中膜融解が関与した右結腸動脈瘤破裂による腸間膜血腫の診断に至った。
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