診療
東京大学医学部附属病院における上顎洞癌に対する放射線治療の臨床成績の検討(2009〜2015年)とレビュー
関谷 徳泰
1
,
山下 英臣
,
櫻町 円香
,
高橋 渉
,
大熊 加恵
,
扇田 真美
,
野元 昭弘
,
切通 智己
,
青木 秀梨
,
片野 厚人
,
軽部 雅崇
,
中川 恵一
1東京大学医学部附属病院 放射線科放射線治療部門
キーワード:
眼疾患
,
腫瘍多剤併用療法
,
腫瘍再発
,
リンパ行性転移
,
上顎洞腫瘍
,
鼻疾患
,
皮膚炎-放射線
,
扁平上皮癌
,
治療用放射線量
,
コンピュータ支援放射線治療計画
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
強度変調放射線治療
,
Kaplan-Meier法
,
アジュバント放射線化学療法
,
上顎骨切除術
,
放射線粘膜炎
,
TPF Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Eye Diseases
,
Lymphatic Metastasis
,
Maxillary Sinus Neoplasms
,
Nose Diseases
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Radiodermatitis
,
Radiotherapy Dosage
,
Radiotherapy Planning, Computer-Assisted
,
Practice Guidelines as Topic
,
Treatment Outcome
,
Radiotherapy, Intensity-Modulated
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Maxillary Osteotomy
,
Chemoradiotherapy, Adjuvant
,
TPF Protocol
pp.701-709
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017260616
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2009年から2015年に放射線治療を行った上顎洞癌33例の治療成績を調査した。男女比は約3:1で、すべての症例がステージ3以上の進行癌であり、組織型は扁平上皮癌が29例と最も多く、腺様嚢胞癌、癌肉腫、肉腫、紡錘細胞癌が各1例であった。27.3%が診断時点で頸部リンパ節転移陽性であったが、組織型との関連性は不明であり、多様な治療法が用いられていたが、過半数は三者併用療法であった。根治治療における3年全生存率は82.1%、3年無増悪生存率は49.6%と局所制御が困難であり、特に非扁平上皮癌症例は全例3.3ヵ月以内に再発し、明らかに放射線抵抗性であった。転移形式として肺、肝の転移例を認めたが、骨転移例はなく、また、有害事象として顎骨壊死1例、皮膚壊死4例を認めたが、急性期・晩期を通して治療関連死はなかった。
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