特集 腹部の最新画像情報2016
症例
脾臓と副脾に同時多発したlittoral cell angiomaの1例
風岡 純一
1
,
堀内 啓
,
赤羽 正章
1NTT東日本関東病院 放射線部
キーワード:
血液凝固第VIII因子
,
血管腫
,
MRI
,
腫瘍-多発性原発
,
術前診断
,
膵切除
,
膵臓腫瘍
,
脾臓腫瘍
,
脾臓摘出術
,
免疫組織化学
,
CD31抗原
,
CD68抗原
,
Littoral細胞
,
副脾
,
腹部CT
Keyword:
Factor VIII
,
Hemangioma
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Neoplasms
,
Splenic Neoplasms
,
Splenectomy
,
Antigens, CD31
,
CD68 Antigen, Human
pp.783-787
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319473
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40歳代男。人間ドックの腹部エコーで軽度の脾腫、脾門部の副脾(径3cm)、脾臓内多発高エコー腫瘤(最大で径2.5cm)を指摘された。自覚症状や脾機能亢進症状はなく、CTでは脾臓内と副脾内部に低濃度腫瘤を複数認め、造影CT動脈相・門脈にて腫瘤は脾実質より低濃度だが、造影平衡相では脾実質とのコントラストが低下して漸増性の造影増強効果を示した。血管性腫瘍、peliosisなどを鑑別に挙げて膵尾部・脾切除術を行ったところ、脾臓と副脾の腫瘍は組織学的に腫瘍細胞に内腔を被われた血管が枝分かれして乳頭状に増殖した成分と、同様の腫瘍細胞に裏打ちされた拡張血管が増殖した成分からなり、病変辺縁部で腫瘍血管と非腫瘍部の脾洞に連続性がみられた。また、腫瘍細胞はCD317、第VIII因子、CD68(Kp-1)、CD68(PGM-1)陽性、CD34陰性よりlittoral cell angiomaと診断された。
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