特集 腹部の最新画像情報2016
症例
胆嚢腺筋腫症の経過観察中に胆嚢癌合併を術前診断し得た1例
田嶋 強
1
,
増田 敏文
,
野口 智幸
,
岡藤 孝史
,
村上 佳菜子
,
枝元 良広
,
猪狩 亨
1国立国際医療研究センター病院 放射線診断科
キーワード:
MRI
,
術前診断
,
腺癌
,
胆嚢腫瘍
,
胆嚢切除
,
腫瘍-第二原発
,
胆嚢腺筋腫症
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Cholecystectomy
,
Gallbladder Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Neoplasms, Second Primary
pp.767-770
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319470
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84歳女。高CA19-9血症を主訴とした。胆嚢底部の腺筋腫症(ADM)にて年に一度のMRI経過観察を行っていたが、9年後CTにてのMRIでは胆嚢底部~体部に複数の隆起性病変(最大3cm大)が出現し、病変部に比較的強い拡散制限を認めた。また、dynamic MRIにて最大の隆起性病変は早期相から弱く増強され、遅延相でwashoutがみられた一方、本病変の基部では遅延性増強効果がみられ、胆嚢癌の漿膜下浸潤を示唆する所見であった。ADMに合併した胆嚢癌と判定して拡大胆嚢摘出術を行い、病理学的には限局型胆嚢腺筋腫症への胆嚢癌の合併と診断され、底部型腺筋腫症のRokitansky-Aschoff sinus内を癌が進展した可能性が考えられた。
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