特集 腹部の最新画像情報2016
症例
膵過誤腫の1例
並木 洋子
1
,
大倉 直樹
,
渡谷 岳行
,
古田 寿宏
,
佐藤 次郎
,
田中 麻理子
,
大友 邦
1東京大学医学部附属病院 放射線科
キーワード:
過誤腫
,
MRI
,
腫瘤
,
膵切除
,
膵臓疾患
,
腹部CT
Keyword:
Hamartoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pancreatectomy
,
Pancreatic Diseases
pp.771-775
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319471
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50歳代男。検診の胸部CTで膵体尾部の腫瘤を指摘された。血液生化学検査は腫瘍マーカー、血清アミラーゼを含め正常範囲内であった。腹部CTでは膵体部に上方に突出する表面平滑で境界明瞭な腫瘤性病変(34×23mm大)を認め、内部は不均一で低吸収を呈しており、一部には脂肪成分の混在を疑う低吸収成分を認めた。CTで脂肪が示唆された部分は腹部MRI T1強調像opposed phaseで信号低下を認め、脂肪抑制T2強調像では膵実質と比較してやや不均一な高信号、拡散強調像ではやや高信号を示し、漸増性の造影効果を認めた。悪性腫瘍の可能性を否定できなかったため、膵体尾部切除を行い、病理学的診断は過誤腫であった。
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