特集 腹部の最新画像情報2016
症例
腎細胞癌に胆嚢転移を伴った1例
塚原 弥生
1
,
山下 詠子
,
岩元 香保里
,
横山 政明
,
近藤 恵里
,
杉山 政則
,
大蔵 康男
,
似鳥 俊明
1杏林大学 医学部放射線医学
キーワード:
腎細胞癌
,
腎臓切除
,
胆嚢腫瘍
,
胆嚢切除
,
カラーDoppler超音波診断
,
腹部CT
Keyword:
Carcinoma, Renal Cell
,
Cholecystectomy
,
Gallbladder Neoplasms
,
Nephrectomy
,
Ultrasonography, Doppler, Color
pp.763-766
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319469
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60歳代男。左背部痛を主訴とした。近医で施行されたCTで左腎臓の腫瘤と胆嚢の腫瘤を認め、精査目的で紹介受診した。Dynamic CTでは左腎臓の腫瘤(約65mm)と胆嚢に広基性に突出する腫瘤(約15mm)は造影皮髄相で強く濃染し、造影腎実質相で染まり抜けた。また、超音波にて胆嚢の腫瘤は一層の高エコーに被われた粘膜下腫瘍の形態を示し、カラードップラーで腫瘤内に血流が確認されたことから、腎細胞癌の胆嚢転移と考えて二期的に左腎腫瘍摘出術と胆嚢摘出術を行った。病理組織像では腎腫瘍、胆嚢腫瘍とも軽度から中等度に腫大する類円形核と淡明な細胞質を有する異型細胞の集簇を認め、clear cell renal cell carcinomaの胆嚢転移と診断した。
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