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帯状疱疹様に分布した直腸癌皮膚転移の1例
横山 恵美
1
,
須山 孝雪
,
人見 勝博
,
伊崎 誠一
1埼玉医科大学総合医療センター 皮膚科
キーワード:
腺癌
,
直腸腫瘍
,
皮膚腫瘍
,
帯状疱疹
,
免疫組織化学
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Herpes Zoster
,
Immunohistochemistry
,
Rectal Neoplasms
,
Skin Neoplasms
pp.1910-1911
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081168
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58歳男。1ヵ月前より左胸部、腋窩、上腕にかけて疼痛とそう痒を伴う紅斑が出現し、徐々に拡大した。左胸部から背部と上腕にかけてのTh2~Th4の領域に小豆大から鶏卵大までの浸潤を触れる帯状の紅斑と小丘疹を認め、左頸部、左腋窩にリンパ節を触知した。臨床検査所見ではCEA、CA19-9が高値を示し、下部内視鏡で直腸S状部に0-IIaの腫瘤を認め、全身検索の結果より直腸癌TxNxM1、Stage IV、直腸癌皮膚転移と診断した。自験例は多発リンパ節腫脹を認め、他の臓器転移がないことからリンパ行性に転移を生じたと考えられ、病理組織学的にも腫瘍細胞のリンパ管浸潤を認め、典型的な炎症型の皮膚転移像に合致していたことから、左腋窩リンパ節に転移した腫瘍がリンパ管を塞栓し、逆行性に腫瘍が増生して皮膚に浸潤した結果、帯状疱疹様に皮膚転移が生じたと考えられた。
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