発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017135894
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67歳男。会陰部痛、尿道からの排膿を主訴とした。直腸癌膀胱浸潤に対する骨盤内臓全摘術後4年経過時より主訴を認め、造影CT所見では前部尿道に造影効果を認めた。尿道造影所見では尿道海綿体部に3cmの造影欠損所見を認め、直腸癌尿道転移の疑いで尿道部分切除術を行った。病理組織学的検査所見では尿道の粘膜固有層に主座を有する腫瘍(20×20mm)が尿道壁に浸潤し脈管侵襲を伴っており、核は水腫状肥大を示す円柱状の腫瘍細胞が高い密度で増殖し、癒合の不正な腺管を形成していた。尿道腫瘍の組織型は腺癌で、初回手術時の直腸癌に類似していたことから直腸癌尿道転移と診断し、インプランテーションによる転移が考えられた。尿道腫瘍摘出後2年5ヵ月経過現在まで再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2017