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Segmental Neurofibromatosisの1例
林 美穂
1
,
村野 啓明
1草加市立病院 皮膚科
キーワード:
神経線維腫症
,
臀部
,
頭頸部腫瘍
,
皮膚疾患-下肢
,
皮膚疾患-足部
,
皮膚腫瘍
,
皮膚外科
Keyword:
Buttocks
,
Foot Dermatoses
,
Head and Neck Neoplasms
,
Leg Dermatoses
,
Skin Neoplasms
,
Neurofibromatoses
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.634-635
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280969
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- 文献概要
症例は59歳男性で、7年前から右臀部~大腿にかけ自覚症状のない結節が出現し、徐々に増大増数し、紹介受診した。右足頭部に径10mm大の常色結節1ヶ所、右臀部・大腿伸側~膝にかけ径3~15mm大の淡紅色結節数ヶ所、右足底内側縁に径12mm大の常色結節を1ヶ所認めた。いずれの結節も境界明瞭でドーム状に隆起、弾性軟であった。また、右臀部~下腹部、鼠径部にかけ径5mm大までの淡褐色斑が集簇していた。血算・一般生化学に異常なく、頭部MRIでは軽度の脳萎縮以外異常を認めなかった。胸部X線では胸椎に軽度側彎を認めた。病理組織学的所見で右膝蓋上方の比較的大きな結節2ヶ所で真皮内に被膜を伴わない境界明瞭な腫瘍塊を認めた。腫瘍は均一な小型紡錘形細胞の増殖からなり、異型性はなかった。一部毛細血管増生があった。以上の所見より二つの結節を神経線維腫と診断し、神経線維腫と小Recklinghausen斑が右半身の特定領域Blaschko線に限局していることから分節性神経線維腫症(SNF)と診断した。患者が気になる結節をさらに数ヶ所切除し、摘除した結節は全て病理組織学的に神経線維腫の診断であった。子に同症がないことから遺伝相談は必要としなかった。
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