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下腿浮腫と結節性紅斑を初発としたサルコイドーシスの1例
明石 顕
1
,
植木 理恵
,
山下 史記
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 皮膚科
キーワード:
Furosemide
,
Indomethacin
,
紅斑-結節性
,
浮腫
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
皮膚疾患-下肢
,
サルコイドーシス-皮膚
Keyword:
Administration, Oral
,
Edema
,
Drug Therapy, Combination
,
Furosemide
,
Erythema Nodosum
,
Indomethacin
,
Leg Dermatoses
pp.632-633
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280968
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- 文献概要
症例は47歳女性で、両下腿浮腫が出現し、その後、疼痛を伴い腎臓内科を受診した。胸部X線で心拡大はなく、聴診で水泡性ラ音を聴取せず、心不全は否定された。血液・尿検査で総蛋白、アルブミンの低下はなく、D-ダイマーが軽度上昇していたが血栓症を示唆する所見が乏しく、蜂窩織炎疑いで紹介受診した。病理組織所見は皮下結節部では脂肪隔壁にリンパ球浸潤がみられ、皮下脂肪織炎の所見を認め、結節性紅斑と考えられた。初診時採血でIgG 1935mg/dl、IgA 426mg/dlと軽度高値のため、原因不明の下腿浮腫と結節性紅斑と考え、フロセミド内服、インドメタシン内服で治療を開始し、採血でIgGが3427mg/dl上昇し、胸部X線で両側肺門リンパ節腫脹(BHL)が出現したため呼吸器内科で経過観察となった。霧視が出現したため、眼科を受診しブドウ膜炎の診断で点眼治療を開始した。同時期にアンジオテンシン転換酵素(ACE)が24.3U/l、リゾチーム21.3μg/ml、胸部X線でBHL増悪がみられるため、気管支鏡検査を行ったところ、気管粘膜の血管透過性上昇と粘膜上に結節像がみられ、肺生検でラングハンス型巨細胞を伴う類上皮肉芽腫がみられた。以上からサルコイドーシスと診断した。無治療で経過観察し、下腿浮腫は消失、結節性紅斑も消失した。また、ブドウ膜炎も改善し、現在、その他の症状の再発はみられない。
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