症例
脂漏性角化症の病変内に発生したBowen病と考えた1例
萩原 里香
1
,
安藤 与里子
,
原 一夫
1名古屋掖済会病院 皮膚科
キーワード:
Bowen病
,
生検
,
皮膚疾患-下肢
,
皮膚腫瘍
,
角化症-脂漏性
,
皮膚外科
Keyword:
Bowen's Disease
,
Biopsy
,
Leg Dermatoses
,
Skin Neoplasms
,
Keratosis, Seborrheic
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1291-1295
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355255
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78歳女。十数年前に右下腿に褐色局面が出現し、3ヵ月前に一部が隆起した。右下腿内側に17×11mm大の褐色扁平局面を認め、一部に黒色隆起性病変がみられた。皮膚生検で扁平局面部に過角化があり、肥厚した表皮内に小型基底細胞様細胞が胞巣状に増生し、クローン型脂漏性角化症と診断した。一方、黒色隆起部には過角化と錯角化があり、表皮内の胞巣状小型基底細胞様細胞増生部に異型角化上皮が混在し増生していた。異常核分裂像や異常角化細胞も認め、Bowen病と診断した。真皮にはリンパ球を主体とする軽度の炎症細胞が浸潤していた。脂漏性角化症とBowen病の合併を疑い、3mmマージンで全切除した。術後の病理組織学的所見で2つの病変が連続していることが判明した。以上より、クローン型脂漏性角化症の病変内に発生したBowen病と診断した。
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