特集 小児の皮膚病・腫瘍、母斑
臨床例
porokeratotic eccrine ostial and dermal duct nevus(PEODDN)の2例
加嶋 亜紀
1
,
石井 千寸
,
室井 栄治
,
古結 英樹
,
山下 篤
,
丸塚 浩助
,
天野 正宏
,
瀬戸山 充
1宮崎大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
上肢
,
鑑別診断
,
皮膚疾患-下肢
,
皮膚疾患-足部
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
汗孔角化症
,
Porokeratotic Eccrine Ostial and Dermal Duct Nevus
,
表皮母斑
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Foot Dermatoses
,
Immunohistochemistry
,
Leg Dermatoses
,
Skin Neoplasms
,
Porokeratosis
,
Upper Extremity
pp.1021-1024
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015043932
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<症例のポイント>porokeratotic eccrine ostial and dermal duct nevus(以下、PEODDN)は、出生時より認められるいわゆる表皮母斑のなかのエクリン母斑の一型で、調べえた限り40数例の報告があるが、本邦からは初の報告である。海外の文献のなかには診断基準である表皮内汗管開口部に一致したcornoid lamella様角栓の存在のみで、エクリン汗管の増数と肥大についての記載がないにもかかわらずPEODDNと診断している例も多く、注意が必要である。同じ深さの真皮内汗管がCK7(+)にもかかわらずPEODDNで認められる、肥大、増数した汗管はCK7(-)である。PEODDNの定義は表皮母斑の一型か、porokeratosisの一型かで一部議論はあるが、われわれは前者と考える。一見、いわゆる表皮母斑にみえるため、皮膚生検は行わず、皮膚剥削術やレーザー治療、photodynamic therapyが行われている症例もあると思われる。
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