症例
肛囲に発生した基底細胞癌の2例
乙部 さやか
1
,
大垣 淳
,
石綿 夏織子
,
大原 國章
,
吉野 公二
1がん・感染症センター都立駒込病院 皮膚腫瘍科
キーワード:
下顎腫瘍
,
基底細胞腫
,
腫瘍再発
,
臀部
,
皮膚腫瘍
,
皮膚鏡検査
,
皮膚外科
Keyword:
Carcinoma, Basal Cell
,
Buttocks
,
Mandibular Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Skin Neoplasms
,
Dermoscopy
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1297-1301
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355256
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症例1は80歳女性で、3ヵ月前に前医で肛門の黒色腫瘤を指摘された。肛門4時方向に1.2×1.0cm大で境界明瞭な楕円形の黒色結節を認め、辺縁が一部びらんを伴っていた。皮膚生検で表皮と連続して好塩基性に染まる胞巣が、地図状に真皮に向かって増殖していた。充実型基底細胞癌と診断し、腫瘍辺縁から3mm離して切除し、単純縫縮術を施行した。1年後に下顎部に新たに基底細胞癌が発生し、切除した。症例2は77歳男性で、2ヵ月前から肛門に黒色腫瘤が出現した。肛門9時方向に2.0×1.0cm大の境界明瞭なまだらに黒色調を呈する結節を認めた。皮膚生検で表皮から連続して好塩基性に染まる胞巣が真皮内に増生し、辺縁に柵状配列と裂隙を認めた。充実型基底細胞癌と診断し、腫瘍辺縁から3mm離して切除し、単純縫縮術を施行した。以後、再発なく経過している。
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