特集 薬疹・薬物障害
セレコキシブによる紅皮症型薬疹と考えた1例
南部 昌之
1
,
望月 弘和
,
竹田 公信
,
藤井 俊樹
,
望月 隆
1金沢医科大学 皮膚科学講座
キーワード:
Prednisolone
,
経口投与
,
皮膚炎-剥脱性
,
薬疹
,
Celecoxib
Keyword:
Celecoxib
,
Administration, Oral
,
Drug Eruptions
,
Dermatitis, Exfoliative
,
Prednisolone
pp.354-359
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208973
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82歳女。既往歴に高血圧、無症候性脳梗塞、腰部脊柱管狭窄症、IgA腎症、逆流性食道炎などがあり、78歳時より多数の内服薬を服用中であった。2013年10月初旬より頭部と躯幹に紅斑が出現し、当科にて湿疹として治療を開始したが、10月末より頭部に発赤、鱗屑の付着と脱毛を認めた。同年11月より脱毛が進行し、全頭脱毛となり、2014年4月には背部、両側大腿の皮疹がステロイド薬の外用にもかかわらず拡大し、強皮症となった。同年5月に入院のうえ、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏外用とフェキソフェナジン塩酸塩の内服を開始するも紅斑は改善しなかった。服用中の内服薬をすべて中止し、プレドニゾロン(PSL)の内服を開始したところ、強皮症は改善し、脱毛は完全に回復した。セレコキシブ再開後に紅斑が再発し、同薬剤を中止し、PSLの増量にて紅斑は消失したことから、セレコキシブによる強皮症型薬疹と考えられた。
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