特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
卵巣癌治療中に発症し薬疹との鑑別を要した皮膚筋炎
平田 祐子
1
,
中村 和子
,
宇都宮 まりか
,
河野 真純
,
須田 昭子
,
平田 豪
,
室 慶直
,
蒲原 毅
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 皮膚科
キーワード:
Carboplatin
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
腫瘍多剤併用療法
,
鑑別診断
,
生検
,
経口投与
,
背部
,
薬疹
,
皮膚筋炎
,
皮膚疾患-手部
,
卵巣腫瘍
,
Paclitaxel
,
致死的転帰
,
パルス療法(薬物療法)
Keyword:
Administration, Oral
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Back
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Dermatomyositis
,
Drug Eruptions
,
Hand Dermatoses
,
Methylprednisolone
,
Ovarian Neoplasms
,
Prednisolone
,
Carboplatin
,
Fatal Outcome
,
Paclitaxel
,
Pulse Therapy, Drug
pp.579-582
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271485
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<症例のポイント>卵巣癌に対しパクリタキセル、カルボプラチンによる化学療法を施行後にそう痒を伴う紅斑が全身に出現し、薬疹との鑑別に苦慮した皮膚筋炎の1例を経験した。自験例は、抗TIF1-γ抗体が陽性であった。悪性腫瘍を合併し、Gottron徴候・丘疹、線状紅斑などの皮膚筋炎として典型的な皮疹がみられ、皮膚症状が重篤であった点で抗TIF1-γ抗体陽性の皮膚筋炎に特徴的な臨床像を呈していたと考えられた。悪性腫瘍に対する化学療法後に皮膚筋炎を発症した報告は国内外で散見される。一方、タキサン系薬剤投与後に膠原病関連疾患が生じた報告がある。自験例においてもパクリタキセル投与が皮膚筋炎発症の誘因となった可能性が考えられた。
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