特集 薬疹・薬物障害
ニボルマブ投与後に発症したベムラフェニブによる薬疹の1例
北山 尚美
1
,
臼居 駿也
,
伊賀 那津子
,
加来 洋
,
遠藤 雄一郎
,
藤澤 章弘
,
大日 輝記
,
椛島 健治
1京都大学 大学院医学研究科皮膚科学教室
キーワード:
Prednisolone
,
黒色腫
,
経口投与
,
薬疹
,
皮膚腫瘍
,
薬物相互作用
,
Vemurafenib
,
Nivolumab
Keyword:
Administration, Oral
,
Drug Eruptions
,
Drug Interactions
,
Melanoma
,
Prednisolone
,
Skin Neoplasms
,
PLX4032
,
Nivolumab
pp.50-51
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115819
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61歳男。発熱、間擦部の紅斑、亀頭部のびらんを主訴とした。右大腿原発の悪性黒色腫(stage IIIB/UICC2009、BRAF陽性)の術後に肺、腸骨リンパ節転移が出現し、ニボルマブを開始するも症状は悪化した。その後、ベムラフェニブを開始したが、内服3日後より顔面・頸部・陰茎に紅斑、口腔内・亀頭にびらんが拡大し、腋窩・鼠径部の紅斑や38℃台の発熱も認めた。病理組織学的所見では表皮真皮接合部の空胞変性と表皮内の個細胞壊死を認め、ベムラフェニブによる間擦部優位の薬疹Grade 3と診断してベムラフェニブを中止し、プレドニゾロンを内服したところ、症状と血液検査所見は改善した。ニボルマブ投与後に発症したベムラフェニブによる薬疹では、ニボルマブの先行投与が免疫システムに影響してベムラフェニブによる皮膚障害を重症化させ、発現時期を早める可能性があると考えられた。
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