特集 角化症・炎症性角化症
シクロスポリンが奏効したと思われる紅皮症型毛孔性紅色粃糠疹の1例
澁谷 貴史
1
,
加藤 直樹
,
本間 大
,
山本 明美
1稚内市立稚内病院 皮膚科
キーワード:
Ciclosporin
,
Etretinate
,
経口投与
,
粃糠疹-毛孔性紅色
,
皮膚炎-剥脱性
Keyword:
Administration, Oral
,
Dermatitis, Exfoliative
,
Etretinate
,
Pityriasis Rubra Pilaris
,
Cyclosporine
pp.1118-1119
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305034
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63歳男。顔面・体幹の紅色局面を主訴に受診した。治療は当初、尋常性乾癬の診断でステロイドと活性型ビタミンD3の外用を行ったが、皮疹は急激に増悪し、島嶼状の正常皮膚を残して紅皮症化した。両膝には毛孔性角化性丘疹を認め、手掌・足全体に角質増殖と亀裂を認めた。特徴的な臨床所見と生検の結果から毛孔性紅色粃糠疹と診断した。治療は初めNB-UVBによる光線療法を行ったが、無効であった。次にエトレチナートの内服を約1ヵ月間行い、掌蹠の角化性病変・亀裂の改善には有効であったが、紅皮症は持続したため、シクロスポリン150mg分1(食前2.5mg/kg)の投与を開始した。結果、約1週間で皮疹は改善傾向を示し、以後、100~120mg/日の投与を1年3ヵ月間継続したところ、皮疹はほぼ消退した。
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