臨床
低侵襲側方進入腰椎椎体間固定手術における術中・術後早期合併症 lateral lumbar interbody fusion(LLIF)を安全に行うために
岩崎 博
1
,
山田 宏
,
橋爪 洋
,
南出 晃人
,
中川 幸洋
,
吉田 宗人
1和歌山県立医科大学 整形外科学教室
キーワード:
術後合併症
,
術中合併症
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
腰椎
,
最小侵襲手術
,
後向き研究
,
末梢神経損傷
Keyword:
Intraoperative Complications
,
Lumbar Vertebrae
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Peripheral Nerve Injuries
pp.1663-1668
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017094328
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eXtreme Lateral Interbody Fusion(XLIF)手術を行った83症例(男性21例、女性62例、手術時平均年齢69.5歳)における術中・術後早期合併症を後ろ向きに調査した。疾患の内訳は変性後側彎症47例、変性すべり症18例、後彎症13例、腰部脊柱管狭窄症5例であり、進入は56例が左側、27例が右側からのアプローチであった。XLIF固定椎間数は1椎間が18例、2椎間が11例、3椎間が26例、4椎間が27例、5椎間が1例で、平均2.8椎間であった。その結果、合併症は83例中50例(60.2%)に認められた。Thigh symptomsが合併症の3/4を占めており、一過性の症状ではあるが、術前に必ず十分なインフォームド・コンセントを得る必要があると考えられた。また、腰神経叢を避けるために生じる開創器過前方設置などに起因する前縦靱帯損傷、過度の椎間開大に伴う終板損傷やそれに伴う椎体骨折に注意を要することが判明した。以上より、XLIF特有の合併症を十分理解して、その注意点や対処法を習熟することが重要と考えられた。
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