症例
Complex type dislocation of the scaphoidの1例
小原 由紀彦
1
1豊岡第一病院 整形外科
キーワード:
関節造影
,
交通事故
,
内固定法
,
MRI
,
脱臼
,
舟状骨(手)
Keyword:
Accidents, Traffic
,
Arthrography
,
Joint Dislocations
,
Fracture Fixation, Internal
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Scaphoid Bone
pp.1669-1672
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2017094329
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26歳男性。バイク走行中に自動車と正面衝突して受傷した。他院の救急外来にて徒手整復、シーネ固定施行後2日目に紹介となった。入院時、単純X線では舟状骨近位側の橈側脱臼、第3・4中手骨骨折、第3・4中手骨間、有頭有鉤骨間の亜脱臼が認められた。関節造影所見では舟状月状骨間から手根中央関節への造影剤の漏出がみられ、手関節尺屈ストレスによる舟状月状骨間離開は3mmであった。受傷5日後に全身麻酔下に手術を施行した。舟状月状骨間、第4中手骨有頭骨間、有鉤骨骨折を経皮鋼線固定して、第3・4中手骨骨折はFoucher法にて整復固定を行い、8週間の外固定後に全ての鋼線を抜去した。その結果、術後10ヵ月の段階で骨癒合は良好で、舟状骨の亜脱臼はなく、DISI変形も認められなかった。舟状月状骨角は55°で、舟状月状骨間離開は認めず、MRI所見上の舟状骨の骨壊死は認められなかった。手関節自動可動域は掌屈50°、背屈50°、握力36kgで、可動時痛や安静時痛はなく、Mayo Modified Wrist Scoreは80点であった。
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