特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
脊椎の変性疾患に対する高齢者治療 胸腰仙椎変性疾患 変形性腰椎症・腰部脊柱管狭窄症 80歳以上の高齢者に対する脊椎疾患の手術的治療と周術期合併症
山下 正臣
1
,
大鳥 精司
1地域医療機能推進機構船橋中央病院 整形外科
キーワード:
質問紙法
,
高血圧
,
MRI
,
術後合併症
,
術中合併症
,
脊椎固定術
,
脊椎疾患
,
せん妄
,
疼痛測定
,
糖尿病
,
患者の満足度
,
外科的減圧
,
後向き研究
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
80歳以上高齢者
,
術後感染症
,
視覚アナログ尺度
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Delirium
,
Diabetes Mellitus
,
Hypertension
,
Intraoperative Complications
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pain Measurement
,
Postoperative Complications
,
Surveys and Questionnaires
,
Spinal Diseases
,
Spinal Fusion
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Multicenter Studies as Topic
,
Patient Satisfaction
,
Decompression, Surgical
,
Visual Analog Scale
pp.92-96
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088652
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術後1年以上経過した80歳以上の高齢者に対する脊椎手術262例(男121例、女141例、平均年齢82.7歳)を対象に、手術成績を後ろ向きに調査した。手術時診断部位は頸椎68例(26%)、胸椎15例(6%)、腰椎179例(68%)で、術式は除圧術67%、除圧固定術33%であった。既往症は全体の73%に認め、高血圧が45%と最多であった。頸椎手術において疼痛の有意な改善は上肢のみであり、腰椎の手術においては腰痛・下肢痛とも有意に改善した。周術期合併症は29%に認め、せん妄が6%、創部感染・尿路感染が各1.9%であった。術後1年以上経過後の死亡を6例認めた。患者満足度の調査では79%が「たいへん満足」「満足」と回答した。高齢であっても希望があれば手術を選択でき、固定術の有無で術後成績と周術期合併症に差がないことから、症例に応じて適切な手術を選択できると考えられた。
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