手術症例報告
腹腔鏡下虫垂切除後にモノフィラメント吸収糸(エンドループPDSII)による絞扼性イレウスをきたした1例
山本 大輔
1
,
北村 祥貴
,
太田 尚宏
,
稲木 紀幸
,
黒川 勝
,
伴登 宏行
1石川県立中央病院 消化器外科
キーワード:
虫垂炎
,
虫垂切除
,
腸閉塞
,
腹腔鏡法
,
縫合糸
,
腹部ヘルニア
,
腹部CT
Keyword:
Appendectomy
,
Appendicitis
,
Intestinal Obstruction
,
Laparoscopy
,
Sutures
,
Hernia, Abdominal
pp.207-210
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017229642
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症例は26歳女性で、4ヵ月前に急性虫垂炎に対し、単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。夕食後の腹痛、嘔吐を主訴に救急外来を受診した。単純腹部CTスキャンで閉塞性イレウスと診断し、入院した。保存的治療を行ったが腹痛が持続し、腹部造影CTを施行した。回盲部付近の内ヘルニアが原因と思われる絞扼性イレウスの所見を認めた。絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した。軽度の混濁した腹水をDouglas窩、肝表面に認めた。終末回腸から口側へ少しずつ回腸をたどっていくと索状物によって絞扼された回腸を認めた。索状物を切離し、たどっていくと前回の腹腔鏡下虫垂切除時に虫垂根部を結紮したエンドループの切離端と思われる透明な糸が核になっていた。索状物の切離だけで絞扼は解除された。経過良好で、術後5病日目に退院した。
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