手術症例報告
腹腔鏡補助操作が有用であった人工肛門閉鎖術の2例
喜多 芳昭
1
,
盛 真一郎
,
馬場 研二
,
田辺 寛
,
鶴田 祐介
,
夏越 祥次
1鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科腫瘍学・消化器・乳腺甲状腺外科学
キーワード:
腹腔鏡法
,
癒着
,
腸吻合術
,
癒着剥離術
,
人工肛門閉鎖
Keyword:
Tissue Adhesions
,
Laparoscopy
pp.211-214
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017229643
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症例1は70歳男性で、S状結腸癌の診断でS状結腸切除術を施行した。吻合部狭窄による腸閉塞のため、横行結腸で結腸人工肛門造設術(双口式)を施行した。S状結腸吻合部狭窄で受診した。3度の開腹既往による高度な癒着が予想され、腹腔鏡観察下の人工肛門閉鎖術の方針とした。術後経過は良好で、術後18日目に転院となった。症例2は18歳男性で、急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した。急性汎発性腹膜炎の診断で受診し、緊急手術となった。開腹所見で、虫垂断端の破綻と便汁の腹腔内への漏出を認め、開腹回盲部切除術と回腸人工肛門造設術を施行した。胆嚢内に、小結石を2個認めた。腹腔鏡下胆嚢摘出術と人工肛門閉鎖術を併施する方針とした。術後2日目に麻痺性腸閉塞を発症したが、保存的加療で軽快し、術後13日目に自宅退院した。
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