臨床報告
抗結核治療が奏効した結核性網膜静脈炎の1例
坂本 雅子
1
,
中込 友美
,
櫻田 庸一
,
地場 達也
,
柏木 賢治
,
飯島 裕幸
1山梨大学 大学院総合研究部医学域臨床医学系眼科学講座
キーワード:
Allopurinol
,
Ethambutol
,
Isoniazid
,
Pyrazinamide
,
Rifampicin
,
眼底
,
結核-眼
,
蛍光眼底撮影法
,
視野検査
,
診断用試薬キット
,
多剤併用療法
,
薬疹
,
末梢神経系疾患
,
網膜静脈
,
Mecobalamin
,
光干渉断層撮影
,
高尿酸血症
,
Vitamin B6
,
網膜血管炎
,
インターフェロンガンマ遊離試験
,
眼底撮影
,
胸部CT
Keyword:
Fundus Oculi
,
Allopurinol
,
Drug Eruptions
,
Drug Therapy, Combination
,
Ethambutol
,
Fluorescein Angiography
,
Isoniazid
,
Peripheral Nervous System Diseases
,
Retinal Vein
,
Pyrazinamide
,
Reagent Kits, Diagnostic
,
Rifampin
,
Tuberculosis, Ocular
,
Hyperuricemia
,
Retinal Vasculitis
,
Vitamin B 6
,
Tomography, Optical Coherence
,
Visual Field Tests
,
Interferon-gamma Release Tests
,
Mecobalamin
pp.215-221
発行日 2016年2月5日
Published Date 2016/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016187245
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症例は38歳女性で、左眼硝子体出血で受診しEales病と診断された。左眼に対しては硝子体出血に対する硝子体手術、その後の網膜剥離、増殖硝子体網膜症に対してシリコーンオイル注入併用の硝子体手術を施行したが、光覚なしの状態となった。右眼下耳側網膜に網膜出血を生じ、蛍光眼底造影検査により網膜無灌流領域を指摘され、レーザー治療を施行した。その後、レーザー治療を追加したが、右眼視力が低下し、右眼網膜全域の網膜出血の増加、血管の白鞘化を認め、急性網膜壊死を疑った。胸部X線検査では明らかな結核病変は確認できなかったがクォンティフェロン検査を施行し、陽性の結果となった。胸部CT検査では両肺野に陳旧性炎症性変化と考えられる小さな結節状、索状の濃度上昇がみられ、結核による陳旧性肉芽腫性変化に矛盾しないと考えられた。結核性網膜血管炎に対する抗結核治療を開始した。治療開始約16ヵ月後の時点で抗結核治療は終了となり、以降も再燃なく右眼矯正視力(1.2)で経過している。
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