臨床報告
若年女性に発症した斑状虚血性網膜白濁と毛様網膜動脈閉塞症を合併した乳頭血管炎の1例
青松 圭一
1
,
岡本 紀夫
,
眞下 貴子
,
中尾 雄三
,
松本 長太
,
下村 嘉一
1近畿大学 医学部眼科
キーワード:
Aspirin
,
眼底
,
蛍光眼底撮影法
,
視野検査
,
網膜動脈閉塞症
,
Fluorescein
,
光干渉断層撮影
,
眼底撮影
,
視神経乳頭血管炎
,
中心暗点
Keyword:
Fundus Oculi
,
Aspirin
,
Fluorescein Angiography
,
Scotoma
,
Retinal Artery Occlusion
,
Fluorescein
,
Tomography, Optical Coherence
,
Visual Field Tests
pp.481-487
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016381548
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20歳女。右眼の霧視・視力低下を自覚し、他院にて網膜動脈閉塞症と診断され、精査加療目的にて当院受診となった。視力は右眼は0.4、左眼は1.5で、眼圧に異常はなかった。眼底検査では、右眼の視神経乳頭の発赤と網膜静脈の蛇行と拡張を認めた。また、乳頭黄斑間に強い帯状の網膜白濁、黄斑からアーケード部にかけて、網膜血管周囲の淡い混濁を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影検査の初期像では、網膜白濁領域の動脈で前進後退現象を認め、後期像では視神経乳頭から蛍光色素の軽度漏出を認めた。Goldmann視野計による動的視野では、右眼でMariotte盲点と連続した下方中心暗点を認めた。以上の所見により、乳頭血管炎に斑状虚血性網膜白濁と毛様網膜動脈閉塞症の合併と診断した。バイアスピリン内服を開始後、1週間後には矯正視力は1.2まで回復し、暗点も消失した。光干渉断層撮影では、網膜に高反射領域を認めた。Humphrey視野計による静的視野では、下方傍中心部と鼻側下方に強い感度低下部位の残存を認めた。現在も内服を継続し、再燃などなく経過観察中であった。
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