臨床報告
緑内障インプラント手術後の管内閉塞をNd:YAGレーザーで再疎通した1例
高田 幸尚
1
,
宮本 武
,
友寄 勝夫
,
溝口 晋
,
森井 智也
,
雑賀 司珠也
1和歌山県立医科大学 眼科学教室
キーワード:
隅角鏡検査
,
高眼圧
,
緑内障
,
人工器官機能不全
,
緑内障ドレナージインプラント
,
固体レーザー
,
レーザー療法
Keyword:
Gonioscopy
,
Glaucoma
,
Ocular Hypertension
,
Prosthesis Failure
,
Glaucoma Drainage Implants
,
Laser Therapy
,
Lasers, Solid-State
pp.223-228
発行日 2016年2月5日
Published Date 2016/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016187246
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症例は67歳男性で、右顔面帯状疱疹と診断され、右ヘルペス角結膜炎を指摘された。ステロイド・抗ヘルペス薬の局所および全身投与で結膜充血・角膜浮腫・前房内炎症は軽快、消失したが、眼圧降下薬を使用するも眼圧は右40mmHgとコントロール不能であった。ステロイドレスポンダーの可能性も考慮してステロイド投与を中止するも眼圧は正常化しなかった。EX-PRESS(EX)を用いたインプラント手術と白内障の同時手術を行い、眼圧は10mmHgへと低下した。術後2ヵ月頃より右眼の眼圧は上昇傾向となった。眼圧上昇傾向となってからも角膜は清、結膜充血や前房内炎症細胞はみられず、ヘルペス角膜炎の再燃を思わせる所見はみられなかった。硝子体混濁や網膜病変はみられなかった。眼球マッサージを行ったが、眼圧は下がらなかったためEX管腔内部へのYAG照射を行った。濾過胞拡大と眼圧低下を認めた。ヘルペス角膜炎の再燃はみられなかったが、濾過胞縮小と眼圧上昇を認め、その都度管腔内にYAG照射することで、濾過胞拡大と眼圧低下がみられた。
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