臨床報告
高安病の超広角フルオレセイン蛍光眼底造影
伊藤 亜里沙
1
,
鈴木 康太
,
橋本 英明
,
渡辺 五郎
,
岸 章治
1群馬大学 医学部眼科学教室
キーワード:
眼底
,
蛍光眼底撮影法
,
高安動脈炎
,
網膜血管
,
網膜疾患
,
Fluorescein
,
眼底撮影
Keyword:
Fundus Oculi
,
Fluorescein Angiography
,
Retinal Vessels
,
Retinal Diseases
,
Takayasu Arteritis
,
Fluorescein
pp.209-214
発行日 2016年2月5日
Published Date 2016/2/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016187244
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症例は19歳女性で、一過性の眼前暗黒感と、同時に出現する頭痛があった。両上腕脈拍欠損、上腕血圧測定不能を指摘され、造影CTを施行した。両側総頸動脈、左鎖骨下動脈、腎動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈に高度の狭窄を認め、炎症反応が高値であることから、高安病と診断した。ステロイド増量とアザチオプリン、アスピリン内服を開始したが病勢のコントロールがつかなかった。眼底検査により両眼の周辺部網膜静脈の拡張、蛇行、毛細血管瘤がみられた。高安病による眼底の血管病変を精査するため、超広角走査レーザー検眼鏡を用いた超広角フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)を施行した。腕-網膜循環時間が27秒と延長し、網膜静脈の充盈遅延を認めた。両眼底耳側周辺部には網膜静脈の拡張・蛇行や多数の毛細血管瘤を観察したが、新生血管は検出しなかった。超広角FA画像を拡大して観察すると、眼底耳側周辺部では網膜毛細血管の拡張や優先血行路が確認でき、優先血行路のさらに周辺は無灌流領域となっていた。
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