特集 Physical Examinationを身につける
識る 視診からこれだけわかる
兵頭 永一
1
1兵頭内科・ハートクリニック
キーワード:
胸骨
,
胸部
,
収縮期
,
静脈圧
,
鑑別診断
,
心膜炎-収縮性
,
拍動流
,
仰臥位
,
外頸静脈
,
座位
,
視診
,
内頸静脈
,
脈波解析
Keyword:
Sitting Position
,
Diagnosis, Differential
,
Pericarditis, Constrictive
,
Pulsatile Flow
,
Sternum
,
Systole
,
Thorax
,
Venous Pressure
,
Supine Position
,
Pulse Wave Analysis
pp.231-236
発行日 2018年3月9日
Published Date 2018/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018126107
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患者を診察する場面での視診は聴診、触診とともに三種の神器の1つである。初診時の時点での顔色、全身から伝わってくる重症感は的中することが多い。冷感の有無(これは触れることによって確認できる)、意識状態、けいれん、不自然な動きの有無、貧血の状態、さらには瞳孔・眼球運動、舌の状態(脱水の有無)、爪の状態など、数秒で観察するだけでもかなり多くの情報が含まれている。単にみるだけでなく、さまざまな可能性を考え、頭をフル回転させながら有意な所見を探し出すことが重要である。循環器physical examination診療においてはとりわけ、頸部、胸部、腹部の視診が重要となる。頸部の視診においては頸静脈および頸動脈の視診が重要で、特徴的な視診の所見だけで診断が可能な疾患も多い。胸部の視診では心尖拍動や傍胸骨拍動、また場合により大動脈瘤の拍動や肺動脈の拍動も観察可能である。腹部の視診では触診も組み合わせないといけないことが多いが、肝拍動や、大動脈拍動が評価可能である。本稿では、特に頸静脈の視診評価を中心に、頸部、胸部の視診を駆使することにより循環器physical examinationにおいて何が評価可能か、知っておくべき視診所見について述べる。
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