特集 Physical Examinationを身につける
治す 身体所見から治療方針を探る(Case 1)
武本 知之
1
,
室生 卓
1みどり病院 心臓弁膜症センター
キーワード:
胸骨
,
頸静脈
,
三尖弁
,
三尖弁閉鎖不全症
,
心エコー図
,
心音図検査
,
人工心臓ペーシング
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
肺高血圧症
,
拍動流
,
重症度指標
,
僧帽弁形成術
,
収縮期雑音
,
脈波解析
,
心房圧
,
三尖弁形成術
Keyword:
Cardiac Pacing, Artificial
,
Echocardiography
,
Hypertension, Pulmonary
,
Jugular Veins
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Phonocardiography
,
Pulsatile Flow
,
Severity of Illness Index
,
Sternum
,
Tricuspid Valve
,
Tricuspid Valve Insufficiency
,
Systolic Murmurs
,
Mitral Valve Annuloplasty
,
Pulse Wave Analysis
,
Atrial Pressure
pp.262-267
発行日 2018年3月9日
Published Date 2018/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018126112
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身体所見は自分の視覚、聴覚、触覚を用いた検査であり、検査の精度を上げるには十分な経験をして能力を磨く必要がある。そうして磨かれた能力で得た身体所見によって病態の評価が可能となり、さらには心臓弁膜症などの心雑音を呈する心疾患では疾患名を特定することも可能となる。心臓弁膜症の治療方針を決定するのに最も有用であるのは心エコー図検査であることに異論はない。しかし、心エコー図検査もすべての症例であらゆる項目を網羅的に評価することは困難である。また、測定誤差の問題がある。疾患および病態を想定して、治療を念頭に置きながら検査を行うことで正確な評価が期待できる。身体所見は心エコー図検査の目的を明確にし、検査の精度を高めることが可能である。以前から三尖弁閉鎖不全症(tricuspid regurgitation:TR)の予後への影響が報告されている。日本を含む各国のガイドラインで左心系弁膜症の手術の際に二次性TRを合併していれば、積極的な手術介入が推奨されている。実際に当院で経験した僧帽弁閉鎖不全症(mitral regurgitation:MR)の2症例を基に、身体所見でどのように診断し、病態を把握して、どこまで治療方針を決定することが可能かを提示する。
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