特集 Physical Examinationを身につける
診る 心不全の身体所見はこう取る Nohria-Stevenson分類の実際
阿部 幸雄
1
1大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター 循環器内科
キーワード:
一回拍出量
,
頸静脈
,
血圧
,
呼吸困難
,
四肢
,
姿勢
,
収縮期
,
静脈圧
,
心不全
,
低体温症
,
分類
,
肺うっ血
Keyword:
Blood Pressure
,
Classification
,
Dyspnea
,
Extremities
,
Jugular Veins
,
Hypothermia
,
Heart Failure
,
Posture
,
Stroke Volume
,
Systole
,
Venous Pressure
pp.196-201
発行日 2018年3月9日
Published Date 2018/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018126101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性心不全患者が来院した際には、本当に心不全かどうか、どのようなタイプの心不全か、どのような初期治療をすればよいか、これらについて迅速に判断する必要がある。そこでまず、身体所見の診察が行われるべきである。収縮期血圧が高いかそうでないかという情報のみで超急性期治療を選択するためのクリニカル・シナリオ(CS)という分類がある1)。それに続いて、もう少し詳しくタイプ分けをして次の治療を選択するためのクリニカル・(リスク)プロファイルという分類がある2)。後者はわが国では、提唱者たちの名をとってNohria-Stevenson分類とよばれている。これらの分類に基づいた初期治療を行いながら、心エコー図検査を施行してさらに精密な病態解析をしていくことになる。身体所見の診察は、迅速かつ簡便に可能であるのみならず、続いて施行される心エコー図検査において評価すべき点についての指針を与えてくれる。例えば、身体所見の診察で低心拍出量(cold)であることが疑われた際には、心エコー図検査においても一回拍出量や心拍出量の計測が必要となるであろう。
Copyright© 2018 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.