特集 Physical Examinationを身につける
診る 血管疾患はこう診る
松尾 汎
1
1松尾クリニック
キーワード:
チアノーゼ
,
虚血
,
血管疾患
,
触診
,
浮腫
,
聴診
,
皮膚温
,
脈拍
,
腫脹
,
足関節上腕血圧比
,
血管雑音
Keyword:
Auscultation
,
Edema
,
Cyanosis
,
Ischemia
,
Palpation
,
Pulse
,
Skin Temperature
,
Vascular Diseases
,
Ankle Brachial Index
pp.226-230
発行日 2018年3月9日
Published Date 2018/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018126106
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血管疾患には動脈疾患と静脈疾患があり、リンパ管疾患を併せた脈管疾患(表1)の概略を識っておくことが基本である。身体所見を診る場合、「何をチェックしているのか」を意識しながら行う。また、観察部位に症候(表2)があるときと、ほかの部位の症候で観察部位には症候がないときとがあり、症候がなくても血管疾患では無症候な段階[閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans:ASO)でのFontaineI度、浮腫や瘤など]であったり、遠隔へ影響したりする病態(血栓塞栓症など)もあるので、ルーチンの検査手順を決めておく。動脈には大動脈と末梢動脈があり、大動脈疾患では腹部大動脈瘤の触診(拍動性腫瘤)、末梢動脈疾患では虚血のチェック(色調異常、脈拍減弱など)や末梢動脈瘤(腫瘤触知)がある。静脈疾患には深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT)や静脈瘤があり、視診で腫脹や静脈怒張および色素沈着を探る。リンパ管疾患にはリンパ浮腫があり、視診で腫脹、触診で浮腫(圧痕性と非圧痕性)を確認する。本稿では、血管疾患に有用な身体所見の視診、聴診、触診のポイントを概説する。
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