特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
救急外来(急性冠症候群) risk-stratify 急性冠症候群患者診断後のリスク評価 すべてのACSは平等か?どこで差別化するのか?
猪原 拓
1
1Duke Clinical Research Institute
キーワード:
Troponin
,
病院救急医療サービス
,
心電図
,
リスク評価
,
急性冠動脈症候群
Keyword:
Emergency Service, Hospital
,
Electrocardiography
,
Troponin
,
Risk Assessment
,
Acute Coronary Syndrome
pp.43-46
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029936
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もともとこの方の症状は典型的な狭心症の症状であり,本日はその症状が安静時にも出現し て,さらに最近増悪しているものと判断され,これらのことから急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)と診断される。 さて,ACSが強く疑われる患者では次のステップとして,リスクを予測するために,心電図 およびバイオマーカー(トロポニンTあるいはトロポニンI)を測定する。同患者においてはⅡ・ Ⅲ・aVF誘導にて1mmほどhorizontal ST低下を認めた。トロポニンTの値は0.07ng/mL (基準値0.014ng/mL以下)であった。TIM(I thrombolysis in myocardial infarction)リス クスコア(p.40 1g「急性冠動脈症候群を確実に除外するには4時間? 2時間? それとも1時 間? さまざまなプロトコールをどう活用するか?」表1参照)に当てはめると4点であり,早期 の血行再建が考慮されるべき症例と判断した。直ちに未分画ヘパリン,アスピリン150mg を投与開始し,カテーテル検査を施行する方針とした。
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