特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
救急外来(急性冠症候群) rule-in 急性冠症候群患者でのトロポニン検査の使い方 各国のガイドラインとわが国での実践
方波見 謙一
1
1北海道大学病院 先進急性期医療センター救急科
キーワード:
Troponin
,
感度と特異度
,
病院救急医療サービス
,
診断用試薬キット
,
診療ガイドライン
,
急性冠動脈症候群
Keyword:
Emergency Service, Hospital
,
Reagent Kits, Diagnostic
,
Sensitivity and Specificity
,
Troponin
,
Practice Guidelines as Topic
,
Acute Coronary Syndrome
pp.35-38
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029934
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救急外来で働いていると胸痛を主訴に受診する患者は連日のようにやってくる。そのなか には診察時にすでに症状が消失しているような場合もあり,緊急性のある急性冠症候群 (acute coronary syndrome;ACS)であるか否かの判断に迷うことも多い。 早期のACS診断として,胸部症状,心電図,心エコー図検査,バイオマーカーが重要で あるが,客観的に判断できる心筋トロポニンはACSの診断には欠くことのできないもの となっている。2012年の急性心筋梗塞の国際定義では,虚血が原因のトロポニンの異常 値をもって診断としている。急性心筋梗塞の診断のためには,心筋トロポニン値の典型的 な上昇と下降が必須で,さらに心筋虚血や壊死を示唆する徴候が必要である (表1)1)。
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