症例と治験
人工膝関節全置換術術後可動域に影響する因子
今村 亮太
1
,
天野 幹三
,
金沢 敏勝
1廣島クリニック
キーワード:
関節可動域
,
関節リウマチ
,
膝関節
,
術後期
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Knee Joint
,
Postoperative Period
,
Range of Motion, Articular
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
pp.423-427
発行日 2018年4月19日
Published Date 2018/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018191111
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人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty;TKA)の術後成績にとって、術後関節可動域(rangeof motion;ROM)が良好でないことは重要な問題の1つである。本稿では、術前ROMおよび術中屈曲・伸展gapが、術後4週目のROMに影響を与えているかを検討した。症例は24例、28膝。全例女性、平均年齢は78.6歳(64~89歳)であった。術後屈曲ROMに対して、術前屈曲ROMは正の相関を示した。しかし、術中屈曲gapは相関を示さなかった。術後4週目の伸展ROMに関しては、術前伸展ROMおよび術中伸展gapはともに正の相関を示した。また、術後伸展ROMを伸展良好群と不良群の2群に分け、検討すると伸展不良群は術中伸展gapが有意に小さく、術中伸展gapを20.5mm以上群と20mm以下群の2群に分け、検討すると20mm以下群のほうが有意に術後伸展ROMは不良であった。このことから、術後伸展を良好にするには術前伸展不良の症例に対して、術中伸展gapが20mm以下にならないように注意することが必要と考えられた。
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