発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148675
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後十字靱帯(PCL)温存型人工膝関節全置換術(TKA)を施行した44例63関節を対象に,術後3~5ヵ月時に側方・前後動揺性を測定し,術後可動域(ROM)や自覚症状との関連を検討した.対象症例で認められた動揺性の範囲内では,側方動揺性,前方動揺性が各々大きければROMは大きくなる傾向にあり,内・外側の軟部バランスの不良はROMに影響を与えていなかった.又,軟部バランス不良は臨床成績の不良につながることが推測されるが,検討の結果,内・外側の軟部バランスの不良は短期のJOAスコアに悪影響を与えないことが分かった.しかし,より詳細な自覚症状の調査を行い軟部バランスとの関係を調べたところ,側方動揺性や前後動揺性の大きさとは相関性を認めなかったが,内・外反バランスが悪いとJOAスコアに表れないような疼痛や不安定感をもつ可能性が高いことが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2004