人工関節置換術-最新の知見
手術手技 低侵襲アプローチ 低侵襲人工膝関節全置換術における膝蓋骨非翻転アプローチの効果
松枝 宗則
1
,
早川 敬
,
岡田 洋和
,
山崎 昭義
1新潟中央病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
関節リウマチ
,
膝蓋骨
,
膝関節
,
疼痛測定
,
張力
,
最小侵襲手術
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
筋力
,
視覚アナログ尺度
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Knee Joint
,
Pain Measurement
,
Patella
,
Tensile Strength
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
,
Osteoarthritis, Knee
,
Muscle Strength
,
Visual Analog Scale
pp.86-89
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2014270805
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低侵襲人工膝関節全置換術(MIS-TKA)における膝蓋骨の翻転、非翻転の影響を検討した。TKA中に膝蓋骨を翻転した時と、翻転せずに外側へスライドさせた時(非翻転時)の膝関節にかかる張力を測定した結果、膝最大伸展位、90°屈曲、120°屈曲の各角度で内側、外側コンパートメントにかかる張力は非翻転時が有意に低かった。また、両側同時TKA症例に対して、無作為に片側を翻転、対側を非翻転とする以外は同様の条件でTKAを行い、術後1年までの機能回復を比較した結果、手術時間や術後1年の日本整形外科学会膝疾患治療成績判定基準(JOAスコア)に差はなかったが、術後3ヵ月程度までの可動域回復率、膝伸展筋力回復率、visual analogue scaleは非翻転側が有意に良好であり、膝蓋骨を翻転しないことが、低侵襲や術後早期のより良好な機能回復に関与する可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014