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特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅵ.疾患とロコモ
6.腰部脊柱管狭窄症手術とロコモ
Efficacy of lumbar spinal surgery on locomotive syndrome in patients with lumbar spinal canal stenosis
藤田 順之
1
N. Fujita
1
1藤田医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Fujita Health University, School of Medicine, Toyoake
キーワード:
lumbar spinal canal stenosis
,
surgery
,
locomotive syndrome
,
risk
Keyword:
lumbar spinal canal stenosis
,
surgery
,
locomotive syndrome
,
risk
pp.679-682
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_679
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は じ め に
ロコモティブシンドローム(ロコモ)の原因となる三大疾患として,腰部脊柱管狭窄症(LSS),変形性関節症,骨粗鬆症があげられる.LSSは,主に椎間板と椎間関節の変性や黄色靱帯の肥厚によって脊柱管が狭くなり,馬尾や神経根が慢性的に圧迫を受け,臨床症状として殿部から下肢の疼痛やしびれ感が生じ,ときに下肢筋力低下,知覚鈍麻,膀胱直腸障害などが生じるものである.わが国においては500万人以上の患者数が推定されており1),超高齢社会がすすむにつれて罹患患者数もさらに増加することが予想される.治療においては薬物療法やブロック注射などの保存的治療が行われ,効果がない場合は手術的治療の適応となるが,手術的治療の治療成績はおおむね良好である.しかしながら,現時点ではLSS手術と健康寿命の関係は明らかにはなっていない.ロコモを健康寿命の指標の一つとしてとらえて,本稿では ① LSSとロコモの関連,② ロコモの観点からみたLSS手術の有用性について概説する.なお,本稿で取り上げる研究データについては,ロコモ度3は換算されていないことに注意されたい.
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