Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅱ.病態・診断
5.立位姿勢とロコモ
Impact of standing posture in locomotive syndrome
遠藤 達矢
1,2
,
白土 修
1,2
T. Endo
1,2
,
O. Shirado
1,2
1福島県立医科大学会津医療センター整形外科・脊椎外科学講座
2福島県立医科大学会津医療センターリハビリテーション科
1Dept. of Orthopaedic and Spinal Surgery, Aizu Medical Center, Fukushima Medical University, Aizuwakamatsu
2Dept. of Rehabilitation, Aizu Medical Center, Fukushima Medical University, Aizuwakamatsu
キーワード:
locomotive syndrome
,
posture
,
kyphosis
Keyword:
locomotive syndrome
,
posture
,
kyphosis
pp.547-551
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_547
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は じ め に
脊柱を重力に抗して垂直に起こし,二足ですすむ直立二足歩行は,地球上でヒトのみがとる特異な移動手段である.立位を獲得したことで,上肢と下肢の機能分化がすすみ,脳が発達した.脊柱の直上に頭がある立位姿勢は,重い頭部を支える構造として優れており,脳が発達する可能性を拡げた.
しかし,超高齢化がすすみ,人生100年時代と呼ばれる現代では,多くの人が80年以上の長きにわたり,立位・歩行能力を維持することが求められるようになった.加齢により,骨,筋肉,神経,関節,靱帯,椎間板などの運動器は機能低下をきたし,ロコモティブシンドローム(ロコモ)を生じる.立位姿勢は,ロコモと密接な関連性があり,脊椎疾患はロコモの重要な発生要因とされている.本稿では,立位姿勢とロコモとの関係について,筆者らの研究結果をふまえ報告する.
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