Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅵ.疾患とロコモ
5.高齢者後弯症の病態・治療とレジスタンストレーニング
Efficacy of resistance training for elderly kyphosis
稲毛 一秀
1
,
折田 純久
1,2
,
江口 和
1
,
志賀 康浩
1
,
古矢 丈雄
1
,
牧 聡
1
,
大鳥 精司
1
K. Inage
1
,
S. Orita
1,2
,
Y. Eguchi
1
,
Y. Shiga
1
,
T. Furuya
1
,
S. Maki
1
,
S. Ohtori
1
1千葉大学大学院整形外科
2千葉大学フロンティア医工学センター
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba
キーワード:
kyphosis
,
osteoporosis
,
sarcopenia
,
resistance training
Keyword:
kyphosis
,
osteoporosis
,
sarcopenia
,
resistance training
pp.675-678
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_675
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は じ め に
後弯症は脊柱アライメント異常を呈する疾患であるが,加齢とともに増悪する傾向があり患者の生活の質(QOL)を著しく阻害することは周知の事実である.具体的には後弯変形による歩行能力低下に起因した日常生活動作(ADL)低下および持続的な慢性背筋疲労による難治性腰痛が臨床的な問題である.これらの症状は治療抵抗性(リハビリテーション介入や鎮痛薬を含めた薬剤介入など多くの保存的治療が無効)であることもよく知られている.一方で,近年ではこのような病態に対する手術的治療法の有効性が報告されているが,侵襲が大きすぎる点と高額の医療費がかかる点からスタンダードな治療法になるにはいたっていない1).すなわち高齢社会を迎え患者数は年々増大しているが,その対策は後手に回っているといえる.
そこで本稿では,高齢者後弯症の ① 病態メカニズム,② 治療戦略に関する最新の知見について概説する.
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