Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅱ.病態・診断
11.ロコモと痛み
Locomotive syndrome and pain
山田 圭
1
,
押領司 夏奈
1
,
志波 直人
1
K. Yamada
1
,
K. Oryoji
1
,
N. Shiba
1
1久留米大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kurume University School of Medicine, Kurume
キーワード:
locomotive syndrome
,
musculoskeletal pain
,
exercise
Keyword:
locomotive syndrome
,
musculoskeletal pain
,
exercise
pp.576-579
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_576
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は じ め に
2019年度の『厚生労働省国民生活基礎調査の概況』によると,症状別では男性で腰痛がもっとも多く,次いで肩こり,そして第5位に「手足の関節が痛む」となり,女性では肩こりがもっとも多く,次いで腰痛,そして「手足の関節が痛む」が第3位となっている1).この結果から,国民には骨・関節など筋骨格系(運動器)に関する訴えが多いことがわかる.
ロコモティブシンドローム(ロコモ)に関与する運動器は体を支える骨,骨を動かす筋肉,動きの継ぎ目となる関節,筋肉を動かす神経系からなる.それぞれが障害された主な病態に骨粗鬆症,変形性関節症,サルコペニア,腰部脊柱管狭窄症(LSS)があり,それらの病態により筋力低下,バランス低下,可動域制限,疼痛が発生すると移動能力の低下につながり要介護にいたる(図1)2).したがって,運動器の痛みはロコモに深く関与すると考えられる.本稿では,運動器の痛みとロコモの関係について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021