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誌上シンポジウム 腰部脊柱管狭窄症―最近の進歩
腰部脊柱管狭窄症の手術戦略―広範椎弓切除術を中心として
Surgical Strategy for the Patients with Lumbar Spinal Canal Stenosis
井口 哲弘
1
,
笠原 孝一
2
,
金村 在哲
2
,
三浦 寿一
2
,
鷲見 正敏
2
,
栗原 章
3
,
尾崎 琢磨
1
Tetsuhiro Iguchi
1
,
Koichi Kasahara
2
,
Aritetsu Kanemura
2
,
Juichi Miura
2
,
Masatoshi Sumi
2
,
Akira Kurihara
3
,
Takuma Ozaki
1
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター整形外科
2神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター
3西病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Rehabilitation Center
2Department of Orthopaedic Surgery, Kobe Rosai Hospital
3Department of Orthopaedic Surgery, Nishi Hospital
キーワード:
surgery
,
手術
,
decompressive laminectomy
,
広範椎弓切除術
,
lumbar spinal canal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
Keyword:
surgery
,
手術
,
decompressive laminectomy
,
広範椎弓切除術
,
lumbar spinal canal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
pp.883-887
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100930
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腰部脊柱管狭窄症の手術治療における基本戦略は,患者の求めている状態と考えられるリスクおよび将来予測に対する合意点を探ることである.そのためには術前の十分な病態把握と,それに基づいた十分な患者説明が重要である.一般的に不安定性に注意して手術を行えば,除圧単独手術の成績は最低術後5~6年までは良好である.また,除圧単独手術での術後早期悪化の原因は除圧不足であり,特に中枢側と外側の除圧に関して注意が必要である.そのほかに成績悪化と関連した因子として多椎弓切除,除圧範囲の10°以上の椎間可動角とW型椎間関節などの不安定性要因が指摘できる.固定術の適応については,3mm以上の前後動揺度と10°以上の椎間可動角がともにあると注意が必要で,さらに変性すべり症では後方開大の有無が固定術の選択に加わる.固定に際しては最終的な脊柱アライメントの予測が重要で,L1軸仙椎間距離や立位時のoff balanceのチェックが必要である.
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