Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅵ.疾患とロコモ
7.人工股関節手術とロコモ
An attempt to evaluate the outcomes of total hip arthroplasty using Locomo 25
泉田 良一
1
R. Izumida
1
1江戸川病院慶友人工関節センター
1Keiyu Joint Reconstruction Center, Edogawa Hospital, Tokyo
キーワード:
locomotive syndrome
,
THA
,
Locomo 25
Keyword:
locomotive syndrome
,
THA
,
Locomo 25
pp.683-685
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_683
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
[1]ロコモティブシンドローム(ロコモ)
ロコモは運動器の障害により歩行移動能力の低下をきたした状態と定義されており,その定義上脊椎疾患および下肢関節症が主な対象疾患になると考えられる.
また,その具体的なコンテンツは3種のロコモ度テストで運動器の状態を判断し,それぞれのロコモ度に合わせて対策を講じるというデザインになっている.
ロコモは整形外科発の運動器の総合的かつ包括的評価法であり,文化を共有する整形外科医にとって使いやすいのが特徴である.
[2]ロコモ度テストと変形性股関節症(股OA)
股OAはロコモ関連疾患の一つに数えられるが,ロコモ度テストはロコモ関連疾患に陥る前に通常の(標準的な)運動器の加齢変化を評価するもので,立ち上がりテストや2ステップテストを疼痛や転倒リスクに不安を抱える下肢関節疾患に適応するには不安が伴う.また本来総合的評価法であるロコモ25を局所的な関節疾患に適応することにも疑問がもたれる.
そこで本稿では,当センターで使用しているロコモ25に議論を限定し,他のパラメータとの関連も含めて人工股関節手術(THA)についての評価を論じる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021