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ステム設置に手術支援ロボットを用いたセメントレス人工股関節全置換術と従来法との間に差はあるのか?
-――ランダム化試験10年成績比較
Does robotic milling for stem implantation in cementless THA result in improved outcomes scores or survivorship compared with hand rasping? results of a randomized trial at 10 years
中村 宣雄
1
N. Nakamura
1
1協和会病院
1Kyowakai Hospital, Suita
キーワード:
THA
,
robotics
,
cementless
Keyword:
THA
,
robotics
,
cementless
pp.1127-1129
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1127
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【要 旨】
目 的:初回セメントレス人工股関節全置換術(THA)において,手術ロボットを用いて大腿骨掘削を行った群と,従来のラスプを用いた用手的掘削群を追跡し,10年以上経過した症例についてその臨床成績およびX線評価を比較・検討することである.
対象および方法:2000~2002年に146関節に対し無作為に選んだ75関節にロボットを用いたTHAを,71関節に従来法のTHAを施行した.このうち10年以上経過観察できた症例は128(ロボット群64,従来法群64)関節であった.評価項目は,臨床評価として日本整形外科学会股関節機能判定基準(JOAスコア),再置換率をX線評価としてステム固定性,異所性骨化をみた.
結 果:術後10年のJOAスコアはロボット群平均97点,従来法群平均96点で,差はなかった(p=0.159).また,両群とも再置換例はなかった.X線学的にステム固定性は全例bone ingrowth fixationで,異所性骨化の程度も両群間に差はなかった(p=0.186).
考 察:初回セメントレスTHAにおいて,手術ロボットを用いて大腿骨掘削を行った群は,従来のラスプを用いた用手的掘削群と比較して臨床的にもX線学的にも優位性を示すことができなかった.
© Nankodo Co., Ltd., 2019