Vocabulary
終末糖化産物
黒澤 尭
1
,
美舩 泰
1
,
乾 淳幸
1
,
黒田 良祐
1
1神戸大学大学院整形外科
pp.1104-1104
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1104
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糖質は生命活動における不可欠な栄養素である一方,生体内では蛋白質と結合することで,その立体構造を変化させ,機能性に大きく影響を及ぼすことが知られている.この反応は糖化反応(glycation)と呼ばれ,さらに加齢や生活習慣病に伴う酸化ストレスなどの影響によって終末糖化産物(advanced glycation end-products:AGEs)の生成にいたる.AGEsは近年,糖尿病性合併症,動脈硬化,神経変性疾患,加齢関連疾患の発症や進展と強くかかわっていることが報告されており1),整形外科領域においては骨粗鬆症2)やサルコペニア3)との関連性が指摘されている.AGEsの形成・蓄積は糖化や酸化ストレスなどの翻訳後修飾によって生じるいわば蛋白質の損傷であり,全身に共通して容易に産生されることもあり,老化の原因物質として注目されている.
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