特集 最近よく聞く他科の薬―先生の外来にこの薬を使っている患者さんがきますよ
第4章 膠原病・リウマチ
[免疫疾患治療薬(生物学的製剤(TNF阻害薬))]オゾラリズマブ(ナノゾラ®)
浅島 弘充
1
,
松本 功
1
1筑波大学医学医療系 膠原病リウマチアレルギー内科学
pp.539-543
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_539
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▪オゾラリズマブ(ナノゾラ®)は関節リウマチの治療薬であり,腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬である.
▪独自のナノボディ®分子をもち,従来の抗体製剤とは異なる分子構造をもつ.
▪4週に1回の皮下注射製剤である.
▪日本人対象の第Ⅱ/Ⅲ相試験(OHZORA trial)において,速やかな効果発現と高い有効性が示された.
▪メトトレキサート(MTX)非併用においても有効性が確認されている(NATSUZORA trial).
▪Fc領域をもたない分子構造で免疫原性が低く,リウマトイド因子(RF)高値や抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体陽性症例でも効果の維持が期待される.
▪ほかのTNF阻害薬と同様に感染症・結核再活性化のリスクがあるため,治療前のスクリーニングおよび投与中の全身モニタリングが重要である.

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